【SM】ヘラコケコランドラン軸の構築経緯
今回は、SMレートにてメガヘラクロスが解禁されてから自身が使用し続けていたヘラコケコランドラン軸の構築経緯について触れていきます。
ORASのヘラクレセクチート軸と比較するとこれといった実績は少なく、第3回真皇杯関西予選2でベスト8まで一度勝ち進むことができたくらいですが、半年近く考察した軸なので一読していただけると嬉しいです。




1.ヘラコケコランドランの始点
ここでは、「なぜ、ヘラコケコランドランという並びに行き着いたのか?」について触れていきます。
1-1.ヘラクロスの型
まず、構築の軸となるヘラクロスについてですが、SMでは一貫して下のメガヘラクロスを使ってきました。

ヘラクロス@ヘラクロスナイト
性格:ようき
特性:じしんかじょう→スキルリンク
努力値:A252 D4 S252
実数値:155-237-135-×-126-139
技構成:ミサイルばり/インファイト/タネマシンガン/ロックブラスト
所謂、最速メガヘラクロスと呼ばれるものです。
最速にすることで、HA型では隙を見せてしまう


などに対して勝率を上げることが可能となります。
特に、最速メガヘラクロスの対キノガッサ性能は、「キノコのほうし」を誘いつつ「ミサイルばり」で一方的に突破することができ、他に真似できない芸当であると言えます。
もちろん、HA型にも「トリックルーム」展開による強力な勝ち筋が存在し、この展開を自然に行うことができるヘラクレセの並びは完成形であると言えますが、ORASの環境と比較してSMの環境にはヘラクロスの「トリックルーム」展開を容易に防ぐことができるポケモンが多くなったと感じています。
ここでいうヘラクロスの「トリックルーム」展開を容易に防ぐとは、ヘラクロスが「トリックルーム」状態で動ける3ターンでの全抜きを阻止する、という意味です。





以上より、役割範囲の広さと対キノガッサ性能を評価した、及び「トリックルーム」展開によるヘラクロスに期待することができなかったため、最速メガヘラクロスを使おうと考えました。
1-2.ヘラクロス軸の基本選出
ORASで使用していたヘラクレセクチート軸構築の基本選出は

でした。
これは、相手のゲンガーをこちらの「ふいうち」を搭載した襷ゲンガーで処理し、最速メガヘラクロスとスカーフガブリアスの一貫を作り勝つ、という選出です。
実際、環境に蔓延していた対面構築にはほぼこの基本選出で勝つことができ、この選出に依存していました。
しかし、SMの環境は対面ではなくサイクルの構築が蔓延していたうえ、この3体ではミミッキュと終盤のスカーフカプ・テテフに弱すぎるため没案となりました。
そもそも、この3体はかなり対面的な選出であり、環境に合わせてサイクル的な選出を基本選出とする必要がある、と考えました。
そこでまず考えたことは、別の地面枠を用意することでした。
スカーフガブリアスは、確かにヘラクロスと相性が良く間違いなく強いポケモンなのですが、テッカグヤやランドロスといった浮いていて、かつサイクル性能や嵌め性能に長けたポケモンの存在が壁となります。
逆に、そのようなポケモンが後出しされても試合展開が不利にならないような地面枠を用意すればいいと考えました。
これらの点とヘラクロスがミミッキュと対面したときの交代先になれる点を加味して、地面枠はHBベースの
としました。
ここで、一つ念頭に置いておかなければいけないのが
の対策です。
スカーフガブリアスの最大の利点はリザードンのXY両方に対応が可能という点ですが、HB霊獣ランドロスではXに対してしか対応ができません。
つまり、リザードンがYの場合にも対応できるポケモンが別に必要となりました。
そこで、ヘラクロスがメガリザードンYやカプ・テテフと対面したときの交代先になれるHDベースの
を採用しました。
したがって、

の3体をサイクル的な基本選出としました。
霊獣ランドロスとヒードランの並びは相性補完面でも優れており、メガ枠+クッション×2というきれいな並びを作ることができました。
1-3.ヘラクロス軸の裏選出
以上の経緯により、ヘラクロスを軸としたサイクル的基本選出は確保することができました。
しかし、この選出では、
や
といった上から弱点を突いたり高火力水技で殴ったりしてくるポケモン、
といった崩せない並びなどへの対抗策が皆無です。
また、7世代のメガヘラクロスの性能は6世代と比較すると著しく低下しており、6世代のようにヘラクロスの選出率が高い構築を練ることはかなり難しいと考えました。
そこで、ヘラクロスを選出しない場合の裏選出(第2の基本選出)を考えることにしました。
裏選出に求められる役割は、「崩し性能が高く、サイクル性能をある程度確保し、上からの制圧を回避しやすい」ということです。
サイクル性能は先ほど述べた霊獣ランドロスとヒードランの並びである程度確保できていると感じたため、この2体と相性が良く、かつ崩し性能が高くSが速いポケモンとして、
を採用しました。
ここで、崩し性能が高いカプ・コケコについて考えました。
カプ・コケコのメジャーな持ち物は「デンキZ」「こだわりメガネ」「こだわりスカーフ」の3つが主に挙げられます。
崩し性能という観点で見ると「デンキZ」と「こだわりメガネ」は非常に優秀な持ち物であると感じました。
「デンキZ」は「みがわり」や「めいそう」と併用することでさらに崩せる範囲が広がり、「こだわりメガネ」は受け出ししてきた地面を「マジカルシャイン」や「くさむすび」で崩すことができます。
しかし、「デンキZ」は対地面を想定したときそれほど有効とは言えず、また「こだわりメガネ」は必ず択が発生し運用が難しいと感じました。
これらに共通して言えることは、地面に隙を見せやすいということです。
カプ・コケコと地面が対面したとき、裏の霊獣ランドロスやヒードランではケアしにくいうえに、地面と組んでいる水の一貫ができた並びであるため、必ずサイクル負けしてしまう場面が発生してしまいます。
そこで、択を発生させず対面したポケモンと交代先の地面の両方に等しくダメージを与えることができる「カプZ」に魅力を感じ、カプZカプ・コケコの採用に至りました。
霊獣ランドロスとヒードランを見せることで水の選出を誘導し、それとカプ・コケコとの対面を上手く作り出し、「カプZ」で負担を与えるという立ち回りが理想的です。
具体的に、テッカグヤ、ドヒドイデ、カプ・レヒレとの対面時に交代で後出しされる裏のカバルドン、グライオン、霊獣ランドロス、霊獣ボルトロスを「ガーディアン・デ・アローラ」+「めざめるパワー氷」で処理することができます。
vs 





「カプZ」を持たせることで、受けループにも強くなる点はかなり評価することができます。
また、カプ・コケコは特性によりエレキフィールドを展開することでカバルドンの「あくび」展開やゲンガーの「さいみんじゅつ」のケアも可能となり、ヘラクロスやヒードランを安定して後投げすることができます。
以上より、

を裏選出としました。
こうして、


の並びが確立され、最速メガヘラクロス、カプZカプ・コケコの2軸から構築がスタートしました。
2.ヘラコケコランドラン軸の構築経緯
ここからは、ヘラコケコランドラン@2に関する考察について触れていきます。
2-1.

ヘラクロス@ヘラクロスナイト
ようき じしんかじょう→スキルリンク
155-237-135-×-126-139
ミサイルばり/インファイト/タネマシンガン/ロックブラスト

ポリゴン2@しんかのきせき
ずぶとい アナライズ
191-×-156-126-116-81
イカサマ/れいとうビーム/10まんボルト/じこさいせい

ミミッキュ@ゴーストZ
いじっぱり ばけのかわ
131-156-100-×-125-148
シャドークロー/じゃれつく/かげうち/つるぎのまい

ヒードラン@たべのこし
おだやか もらいび
193-×-127-153-165-108
かえんほうしゃ/だいちのちから/どくどく/まもる

カプ・コケコ@カプZ
おくびょう エレキメイカー
151-×-105-142-95-200
ボルトチェンジ/めざめるパワー氷/しぜんのいかり/ちょうはつ

霊獣ランドロス@ゴツゴツメット
わんぱく いかく
195-165-156-×-112-109
じしん/がんせきふうじ/とんぼがえり/ステルスロック
第4回P2オフ、及び第3回真皇杯オンライン予選/関西予選2で使用した並び。
ヘラコケコランドラン@2を考えた際、物理受けのランドロスだけではボーマンダ絡みの積み展開に弱いと感じたため
を、カプ・コケコを崩し性能に特化させてしまった結果、終盤の詰めを通しにくいと感じたため
をそれぞれ採用しました。
並びの完成度としては申し分なかったと感じていますが、

が重い並びとなってしまいました。
この構築では、カプ・コケコのエレキフィールド展開とのシナジーについて注目しました。
先述の通りカバルドン対面のヘラクロス交代、ゲンガー対面のヒードラン交代はかなり安定して決まっただけでなく、ポリゴン2の「10まんボルト」との相性も抜群です。
具体的に、「10まんボルト」は


に刺さり、起点を回避するにはかなり有用な技でした。
「ほうでん」でない理由は火力の違いと特性アナライズとの相性を考慮したためです。
使用感は良く、最も結果が出せた構築でしたが、ポリゴン2への役割集中や崩し、
による上からの制圧に後手を取ることが多く、また切り返しの手段が少ない点も課題として残りました。
2-2.

ヘラクロス
同個体、同調整

ポリゴン2
同個体、同調整

ゲッコウガ@ミズZ
おくびょう へんげんじざい
149-×-90-151-92-191
ハイドロカノン/れいとうビーム/めざめるパワー炎/みずしゅりけん

ヒードラン
同個体、同調整

カプ・コケコ
同個体、同調整

霊獣ランドロス
同個体、同調整
SMレートシーズン5、及びBattle Spot Singlesで使用した並び。
1番目の構築の課題を克服するための手段を考えたところ、
が適任と考え採用しました。
ゲッコウガの枠はアシレーヌやマリルリを試しましたが、カプ・コケコをうまく展開できなかった場合の霊獣ボルトロスへの切り返しが全くできず解雇となりました。
ゲッコウガはカプ・コケコ同様初手に繰り出し、裏にヒードランとポリゴン2か霊獣ランドロスを添える選出がほとんどでした。
ゲッコウガとポリゴン2を並べることでボーマンダを牽制し、ポリゴン2が誘うバシャーモやルカリオにゲッコウガは対面から高確率で勝つことができます。
ミミッキュを解雇したことで積み展開に対する立ち回りが難しくなりましたが、霊獣ランドロスの「がんせきふうじ」で
などのS上昇を防ぎ、常にカプ・コケコやゲッコウガが上を取れる状況を作ることを意識しました。
特に、ボーマンダ入りの構築に対して

と選出した際、ボーマンダに「りゅうのまい」を積まれると全抜きされるため、常に霊獣ランドロスがメガボーマンダのA1段階上昇「すてみタックル」を耐えるHPを確保するように立ち回る必要があります。
1番目の構築と比べ、カバルドン展開や上からの制圧にかなり強くなった反面、積み展開への切り返しが難しくなりました。
ただ、切り返しの手段が少ない点を除いて、かなり良い形に仕上げることができたと感じています。
2-3.

ヘラクロス
同個体、同調整

ゲッコウガ@きあいのタスキ
むじゃき へんげんじざい
147-116-87-155-81-191
れいとうビーム/あくのはどう/ダストシュート/みずしゅりけん

ミミッキュ@フェアリーZ
いじっぱり ばけのかわ
151-143-124-×-125-116
じゃれつく/かげうち/つるぎのまい/のろい

ヒードラン@マゴのみ
ひかえめ もらいび
191-99-151-178-127-100
オーバーヒート/ラスターカノン/だいちのちから/がんせきふうじ

カプ・コケコ
同個体、同調整

霊獣ランドロス
同個体
ゴツゴツメット→バンジのみ
ステルスロック→どくどく
に変更
グラカップ・ザ・ファイナル、第5回P2オフ、及び第2回どらおふで使用した並び。
この構築に変更しようと考えた発端は、やはり積み展開の切り返しの手段としてミミッキュが欲しく、またゲッコウガよりミミッキュにZを持たせたほうが強い、と感じたことからでした。
そこで、ゲッコウガには初手に繰り出し
に対する性能を確保しつつ、
のような並びを崩す役割を新たに与えました。
水への切り返しができないヒードランにゲンガーの相手を任せ切ってしまうと、ヒードランを起点に水を通されたあとゲンガーの一貫を作られる、という大きな負け筋を重視した結果、このゲッコウガの採用に至りました。
この場合、霊獣ランドロスにミミッキュの処理を一任することになってしまい、「のろい」+「みがわり」や「つるぎのまい」+「Zじゃれつく」で簡単に崩されてしまいます。
そこで、ミミッキュの型で最も流行っていたAB妖Z型に強く、霊Z型にも対応が可能なHBマゴドランをミミッキュへの対抗策として新たに採用しました。
HDベースではないため、従来のようにカプ・テテフに何度も後出しはできませんが、カプ・テテフはゲッコウガが対面から勝てるようになったため、特に問題はなかったです。
また、ヒードランの「がんせきふうじ」により、



などのSを下げ、ヘラクロスで締めるという流れを作り出すことができ、使用感がかなり良かったです。
霊獣ランドロスの技構成について、「ステルスロック」を「どくどく」に変更しました。
これは、「ステルスロック」を撒く場面よりも、対面の
や後出しされる
に「どくどく」を刺したかった、という意図があります。
実際、「どくどく」はサイクルを回すうえで役に立ち、ボーマンダの起点回避や耐久型ポケモンをヘラクロスやカプ・コケコの攻撃技圏内に押し込む技として非常に有効でした。
また、持ち物の「バンジのみ」は霊獣ランドロスの後出し回数を増やす意図があり、サイクルを回すうえで役に立った持ち物でした。
この並びの持ち物に注目すると、「メガ+襷+Z×2+混乱実×2」となり、きれいな並びに仕上がった気がしています。
ヘラクロス軸では、対面構築のような襷+メガ+Zといったアクティブ選出はできず、メガor襷orZから2+混乱実、メガor襷orZ+混乱実×2の選出パターンが多かったです。
混乱実持ちはクッション性能が高く、選出パターンとして間違っていないはずなので、メガor襷orZでどう詰めるかが重要となってきます。
この構築は2回の対戦オフで使用し、どちらも結果は奮いませんでしたが、構築自体は悪くないと感じています。
しかし、命中率90以下の技が6つもあり、1,2番目の構築と比較するとやはり安定感に欠けてしまいます。
長々と述べてきましたが、以上がヘラコケコランドラン軸の構築経緯の全容です。
半年間この並びを使い続けてきましたが、6世代と比べると7世代のヘラクロス軸は当然かなり難しく感じました。
実際、シーズン4からシーズン6の間でレート2000以上に乗ることは一度もありませんでした。
ヘラコケコランドラン@2は、ポリゴン2、ミミッキュ、ゲッコウガの3体から2体以外に考えられませんでした。
ポリゴン2を入れるならミミッキュは終盤の全抜き性能を重視しAS霊Z型、ゲッコウガを入れるならギャラドスが重くなるのでAB妖Z型、でほぼほぼ完結しています。
結果はともあれ、自分なりのヘラコケコランドラン軸の結論に近いものは出すことができました。
ヘラコケコランドラン軸で、しかも最速メガヘラクロス、カプZカプ・コケコのような型を使っているのは自分以外に知らないので、全く参考にならないかもしれませんが、考察の部分だけでも参考にしていただけると嬉しいです。
ここまで閲覧ありがとうございました。
なにかあればコメント欄かTwitter@Rumpara25までお願いします。
↑謂わば失敗例
↓謂わば成功例(興味がある方は是非読んでみてください)
ORASのヘラクレセクチート軸と比較するとこれといった実績は少なく、第3回真皇杯関西予選2でベスト8まで一度勝ち進むことができたくらいですが、半年近く考察した軸なので一読していただけると嬉しいです。




1.ヘラコケコランドランの始点
ここでは、「なぜ、ヘラコケコランドランという並びに行き着いたのか?」について触れていきます。
1-1.ヘラクロスの型
まず、構築の軸となるヘラクロスについてですが、SMでは一貫して下のメガヘラクロスを使ってきました。

ヘラクロス@ヘラクロスナイト
性格:ようき
特性:じしんかじょう→スキルリンク
努力値:A252 D4 S252
実数値:155-237-135-×-126-139
技構成:ミサイルばり/インファイト/タネマシンガン/ロックブラスト
所謂、最速メガヘラクロスと呼ばれるものです。
最速にすることで、HA型では隙を見せてしまう




特に、最速メガヘラクロスの対キノガッサ性能は、「キノコのほうし」を誘いつつ「ミサイルばり」で一方的に突破することができ、他に真似できない芸当であると言えます。
もちろん、HA型にも「トリックルーム」展開による強力な勝ち筋が存在し、この展開を自然に行うことができるヘラクレセの並びは完成形であると言えますが、ORASの環境と比較してSMの環境にはヘラクロスの「トリックルーム」展開を容易に防ぐことができるポケモンが多くなったと感じています。
ここでいうヘラクロスの「トリックルーム」展開を容易に防ぐとは、ヘラクロスが「トリックルーム」状態で動ける3ターンでの全抜きを阻止する、という意味です。





以上より、役割範囲の広さと対キノガッサ性能を評価した、及び「トリックルーム」展開によるヘラクロスに期待することができなかったため、最速メガヘラクロスを使おうと考えました。
1-2.ヘラクロス軸の基本選出
ORASで使用していたヘラクレセクチート軸構築の基本選出は



これは、相手のゲンガーをこちらの「ふいうち」を搭載した襷ゲンガーで処理し、最速メガヘラクロスとスカーフガブリアスの一貫を作り勝つ、という選出です。
実際、環境に蔓延していた対面構築にはほぼこの基本選出で勝つことができ、この選出に依存していました。
しかし、SMの環境は対面ではなくサイクルの構築が蔓延していたうえ、この3体ではミミッキュと終盤のスカーフカプ・テテフに弱すぎるため没案となりました。
そもそも、この3体はかなり対面的な選出であり、環境に合わせてサイクル的な選出を基本選出とする必要がある、と考えました。
そこでまず考えたことは、別の地面枠を用意することでした。
スカーフガブリアスは、確かにヘラクロスと相性が良く間違いなく強いポケモンなのですが、テッカグヤやランドロスといった浮いていて、かつサイクル性能や嵌め性能に長けたポケモンの存在が壁となります。
逆に、そのようなポケモンが後出しされても試合展開が不利にならないような地面枠を用意すればいいと考えました。
これらの点とヘラクロスがミミッキュと対面したときの交代先になれる点を加味して、地面枠はHBベースの

ここで、一つ念頭に置いておかなければいけないのが

スカーフガブリアスの最大の利点はリザードンのXY両方に対応が可能という点ですが、HB霊獣ランドロスではXに対してしか対応ができません。
つまり、リザードンがYの場合にも対応できるポケモンが別に必要となりました。
そこで、ヘラクロスがメガリザードンYやカプ・テテフと対面したときの交代先になれるHDベースの

したがって、



霊獣ランドロスとヒードランの並びは相性補完面でも優れており、メガ枠+クッション×2というきれいな並びを作ることができました。
1-3.ヘラクロス軸の裏選出
以上の経緯により、ヘラクロスを軸としたサイクル的基本選出は確保することができました。
しかし、この選出では、




また、7世代のメガヘラクロスの性能は6世代と比較すると著しく低下しており、6世代のようにヘラクロスの選出率が高い構築を練ることはかなり難しいと考えました。
そこで、ヘラクロスを選出しない場合の裏選出(第2の基本選出)を考えることにしました。
裏選出に求められる役割は、「崩し性能が高く、サイクル性能をある程度確保し、上からの制圧を回避しやすい」ということです。
サイクル性能は先ほど述べた霊獣ランドロスとヒードランの並びである程度確保できていると感じたため、この2体と相性が良く、かつ崩し性能が高くSが速いポケモンとして、

ここで、崩し性能が高いカプ・コケコについて考えました。
カプ・コケコのメジャーな持ち物は「デンキZ」「こだわりメガネ」「こだわりスカーフ」の3つが主に挙げられます。
崩し性能という観点で見ると「デンキZ」と「こだわりメガネ」は非常に優秀な持ち物であると感じました。
「デンキZ」は「みがわり」や「めいそう」と併用することでさらに崩せる範囲が広がり、「こだわりメガネ」は受け出ししてきた地面を「マジカルシャイン」や「くさむすび」で崩すことができます。
しかし、「デンキZ」は対地面を想定したときそれほど有効とは言えず、また「こだわりメガネ」は必ず択が発生し運用が難しいと感じました。
これらに共通して言えることは、地面に隙を見せやすいということです。
カプ・コケコと地面が対面したとき、裏の霊獣ランドロスやヒードランではケアしにくいうえに、地面と組んでいる水の一貫ができた並びであるため、必ずサイクル負けしてしまう場面が発生してしまいます。
そこで、択を発生させず対面したポケモンと交代先の地面の両方に等しくダメージを与えることができる「カプZ」に魅力を感じ、カプZカプ・コケコの採用に至りました。
霊獣ランドロスとヒードランを見せることで水の選出を誘導し、それとカプ・コケコとの対面を上手く作り出し、「カプZ」で負担を与えるという立ち回りが理想的です。
具体的に、テッカグヤ、ドヒドイデ、カプ・レヒレとの対面時に交代で後出しされる裏のカバルドン、グライオン、霊獣ランドロス、霊獣ボルトロスを「ガーディアン・デ・アローラ」+「めざめるパワー氷」で処理することができます。








「カプZ」を持たせることで、受けループにも強くなる点はかなり評価することができます。
また、カプ・コケコは特性によりエレキフィールドを展開することでカバルドンの「あくび」展開やゲンガーの「さいみんじゅつ」のケアも可能となり、ヘラクロスやヒードランを安定して後投げすることができます。
以上より、



こうして、




2.ヘラコケコランドラン軸の構築経緯
ここからは、ヘラコケコランドラン@2に関する考察について触れていきます。
2-1.

ヘラクロス@ヘラクロスナイト
ようき じしんかじょう→スキルリンク
155-237-135-×-126-139
ミサイルばり/インファイト/タネマシンガン/ロックブラスト

ポリゴン2@しんかのきせき
ずぶとい アナライズ
191-×-156-126-116-81
イカサマ/れいとうビーム/10まんボルト/じこさいせい

ミミッキュ@ゴーストZ
いじっぱり ばけのかわ
131-156-100-×-125-148
シャドークロー/じゃれつく/かげうち/つるぎのまい

ヒードラン@たべのこし
おだやか もらいび
193-×-127-153-165-108
かえんほうしゃ/だいちのちから/どくどく/まもる

カプ・コケコ@カプZ
おくびょう エレキメイカー
151-×-105-142-95-200
ボルトチェンジ/めざめるパワー氷/しぜんのいかり/ちょうはつ

霊獣ランドロス@ゴツゴツメット
わんぱく いかく
195-165-156-×-112-109
じしん/がんせきふうじ/とんぼがえり/ステルスロック
第4回P2オフ、及び第3回真皇杯オンライン予選/関西予選2で使用した並び。
ヘラコケコランドラン@2を考えた際、物理受けのランドロスだけではボーマンダ絡みの積み展開に弱いと感じたため


並びの完成度としては申し分なかったと感じていますが、



この構築では、カプ・コケコのエレキフィールド展開とのシナジーについて注目しました。
先述の通りカバルドン対面のヘラクロス交代、ゲンガー対面のヒードラン交代はかなり安定して決まっただけでなく、ポリゴン2の「10まんボルト」との相性も抜群です。
具体的に、「10まんボルト」は




「ほうでん」でない理由は火力の違いと特性アナライズとの相性を考慮したためです。
使用感は良く、最も結果が出せた構築でしたが、ポリゴン2への役割集中や崩し、


2-2.

ヘラクロス
同個体、同調整

ポリゴン2
同個体、同調整

ゲッコウガ@ミズZ
おくびょう へんげんじざい
149-×-90-151-92-191
ハイドロカノン/れいとうビーム/めざめるパワー炎/みずしゅりけん

ヒードラン
同個体、同調整

カプ・コケコ
同個体、同調整

霊獣ランドロス
同個体、同調整
SMレートシーズン5、及びBattle Spot Singlesで使用した並び。
1番目の構築の課題を克服するための手段を考えたところ、

ゲッコウガの枠はアシレーヌやマリルリを試しましたが、カプ・コケコをうまく展開できなかった場合の霊獣ボルトロスへの切り返しが全くできず解雇となりました。
ゲッコウガはカプ・コケコ同様初手に繰り出し、裏にヒードランとポリゴン2か霊獣ランドロスを添える選出がほとんどでした。
ゲッコウガとポリゴン2を並べることでボーマンダを牽制し、ポリゴン2が誘うバシャーモやルカリオにゲッコウガは対面から高確率で勝つことができます。
ミミッキュを解雇したことで積み展開に対する立ち回りが難しくなりましたが、霊獣ランドロスの「がんせきふうじ」で


特に、ボーマンダ入りの構築に対して



1番目の構築と比べ、カバルドン展開や上からの制圧にかなり強くなった反面、積み展開への切り返しが難しくなりました。
ただ、切り返しの手段が少ない点を除いて、かなり良い形に仕上げることができたと感じています。
2-3.

ヘラクロス
同個体、同調整

ゲッコウガ@きあいのタスキ
むじゃき へんげんじざい
147-116-87-155-81-191
れいとうビーム/あくのはどう/ダストシュート/みずしゅりけん

ミミッキュ@フェアリーZ
いじっぱり ばけのかわ
151-143-124-×-125-116
じゃれつく/かげうち/つるぎのまい/のろい

ヒードラン@マゴのみ
ひかえめ もらいび
191-99-151-178-127-100
オーバーヒート/ラスターカノン/だいちのちから/がんせきふうじ

カプ・コケコ
同個体、同調整

霊獣ランドロス
同個体
ゴツゴツメット→バンジのみ
ステルスロック→どくどく
に変更
グラカップ・ザ・ファイナル、第5回P2オフ、及び第2回どらおふで使用した並び。
この構築に変更しようと考えた発端は、やはり積み展開の切り返しの手段としてミミッキュが欲しく、またゲッコウガよりミミッキュにZを持たせたほうが強い、と感じたことからでした。
そこで、ゲッコウガには初手に繰り出し




水への切り返しができないヒードランにゲンガーの相手を任せ切ってしまうと、ヒードランを起点に水を通されたあとゲンガーの一貫を作られる、という大きな負け筋を重視した結果、このゲッコウガの採用に至りました。
この場合、霊獣ランドロスにミミッキュの処理を一任することになってしまい、「のろい」+「みがわり」や「つるぎのまい」+「Zじゃれつく」で簡単に崩されてしまいます。
そこで、ミミッキュの型で最も流行っていたAB妖Z型に強く、霊Z型にも対応が可能なHBマゴドランをミミッキュへの対抗策として新たに採用しました。
HDベースではないため、従来のようにカプ・テテフに何度も後出しはできませんが、カプ・テテフはゲッコウガが対面から勝てるようになったため、特に問題はなかったです。
また、ヒードランの「がんせきふうじ」により、





霊獣ランドロスの技構成について、「ステルスロック」を「どくどく」に変更しました。
これは、「ステルスロック」を撒く場面よりも、対面の


実際、「どくどく」はサイクルを回すうえで役に立ち、ボーマンダの起点回避や耐久型ポケモンをヘラクロスやカプ・コケコの攻撃技圏内に押し込む技として非常に有効でした。
また、持ち物の「バンジのみ」は霊獣ランドロスの後出し回数を増やす意図があり、サイクルを回すうえで役に立った持ち物でした。
この並びの持ち物に注目すると、「メガ+襷+Z×2+混乱実×2」となり、きれいな並びに仕上がった気がしています。
ヘラクロス軸では、対面構築のような襷+メガ+Zといったアクティブ選出はできず、メガor襷orZから2+混乱実、メガor襷orZ+混乱実×2の選出パターンが多かったです。
混乱実持ちはクッション性能が高く、選出パターンとして間違っていないはずなので、メガor襷orZでどう詰めるかが重要となってきます。
この構築は2回の対戦オフで使用し、どちらも結果は奮いませんでしたが、構築自体は悪くないと感じています。
しかし、命中率90以下の技が6つもあり、1,2番目の構築と比較するとやはり安定感に欠けてしまいます。
長々と述べてきましたが、以上がヘラコケコランドラン軸の構築経緯の全容です。
半年間この並びを使い続けてきましたが、6世代と比べると7世代のヘラクロス軸は当然かなり難しく感じました。
実際、シーズン4からシーズン6の間でレート2000以上に乗ることは一度もありませんでした。
ヘラコケコランドラン@2は、ポリゴン2、ミミッキュ、ゲッコウガの3体から2体以外に考えられませんでした。
ポリゴン2を入れるならミミッキュは終盤の全抜き性能を重視しAS霊Z型、ゲッコウガを入れるならギャラドスが重くなるのでAB妖Z型、でほぼほぼ完結しています。
結果はともあれ、自分なりのヘラコケコランドラン軸の結論に近いものは出すことができました。
ヘラコケコランドラン軸で、しかも最速メガヘラクロス、カプZカプ・コケコのような型を使っているのは自分以外に知らないので、全く参考にならないかもしれませんが、考察の部分だけでも参考にしていただけると嬉しいです。
ここまで閲覧ありがとうございました。
なにかあればコメント欄かTwitter@Rumpara25までお願いします。
↑謂わば失敗例
↓謂わば成功例(興味がある方は是非読んでみてください)