劇場版名探偵コナン「ゼロの執行人」 感想

劇場版名探偵コナン「ゼロの執行人」観てきました!



今年の劇場版コナンは例年とは異なり金曜日が公開日でした。
そのため4年連続公開日一本目を観ることはできず…。
普通に大学が終わったあと、夕方頃の上映で観てきました。
昨年のような公開日の0時上映をしている劇場が近所にはなく、渋々学校帰りの高校生たちに混じって観ることに。

22作品目として公開された「ゼロの執行人」の感想ですが、この作品の主役である安室の本気が全面的に押し出されていた、かつ公安警察としての安室の正義が貫き通されていた、そんな作品でした。
ミステリー、アクション、ラブコメの劇場版コナン3大要素がありますが、それらに属さない「安室の正義」のような安室というキャラの個に焦点を当てて描かれていることが終始伝わってきました。
もちろん3大要素もしっかりと描かれてはいましたが、安室という男がどういう人物なのか、どんな信念があって彼は動いているのか、など安室について原作では描かれていない、または描けないようなシーンが多々見受けられました。
要は、安室好きの人には超楽しめる内容になってました。
僕は安室より赤井派なのですが、とても楽しめましたし面白かったです。


注)以下、「ゼロの執行人」のネタバレを含む。

1.ストーリー

告知PVの通り、小五郎が東京サミット会場爆破の容疑で逮捕されるところから物語はスタート。
当然小五郎は無実で、事故ではなく事件としてこの件を処理するためにすべて安室が仕組んだことでした。
このときの風見を見ていると、公安の闇というか汚さというものを見せられている感じがしました。
これに対し、ポアロの前で安室に「なんでこんなことするんだ!」と言い放つコナン。
このとき、安室は自身の正義のため、僕の日本を守るためにやむを得ないみたいなことを言うわけですが、その真意は後の展開で明かされました。
「今度の安室さんは敵かもしれない」から感じられる安室の強敵感ハンパないですね。
それでも、シルバーブレットこと江戸川コナンはその一歩上を往くキャラだと信じて今後の展開に期待していました。

中盤は、小五郎の裁判の弁護人として橘が、検事として日下部がそれぞれ登場したり、公安に関する話が掘り下げられたり、警視庁内での会議の様子が描かれたり、敵としてコナンに立ちはだかる安室が描かれたり、といった感じでしたね。
ぶっちゃけ、ややこしい公安の話を理解するのに苦労しましたし、登場人物の人間関係を整理するのもなんとなくでしかできませんでした。
警視庁、警察庁、検察庁それぞれに公安部が存在することは初めて知りましたが、その力関係の話は完全に置いて行かれました。
要は、話が難しかった。

警視庁内での会議では、目暮、高木、佐藤、千葉、白鳥といったいつものメンツに加え、風見やRUM候補の一人である黒田の姿も。
さらにさらに、喋りはしなかったものの画面右側に小田切の姿までも見受けられ、なんだか嬉しくなりました。
小五郎を一生懸命庇おうとする目暮警部と公安の名を汚されないために必死な風見の小さな争いみたいな感じでしたね。
「純黒の悪夢」でもそうでしたが、相変わらず仲が悪いご様子でした。

風見に盗聴器を仕掛けコナンが反撃を試みるも安室に見抜かれてしまうシーンや小五郎に差し入れと言いつつコナンに嫌味を言いに来たシーンは敵キャラ安室の憎たらしさが滲み出ていました。
この憎たらしさは探偵としての顔、組織の一員としての顔を持つ彼にはお似合いですよね。

橋の上で雨が降り注ぐ中、コナンと風見が対峙するシーンはとても良かったですね。
ゼロに所属する安室に振り回され恐怖心すら抱いていた風見が、コナンを見る目が変わりつつあるのが読み取れる感じがたまりませんでした。
「人殺しの安室」が犯人の動機につながるとは思っていなかったです。

爆破がIOTテロによるものだと判明し、事故の可能性が消えたことにより小五郎は解放されました。
被疑者として仕立てた小五郎にちゃんと逃げ道を用意していたことは天晴れでしたし、公安としての違法行為は自らの手でケリをつけなければならない、という安室の正義がうっすらと見えた瞬間でしたね。

そこからは話の方向がIOTテロの犯人探しに移行。
話を整理するのに必死で、犯人が明かされるまでその動機も分かりませんでしたが、簡潔に言うと「公安警察への復讐」でした。
コナンが真実に辿り着いた時の演出がかなり凝っていて劇場版らしさがありましたが、そのとき僕にはさっぱりでしたね。

クライマックスでは、コナンと安室が協力してサミット会場にあるカジノタワーに墜ちる人工衛星のカプセルの軌道を反らす、というミッションを見事コンプリート。
そんなヤバい状況下でコナンの「前から聞きたかったんだけど安室さんって彼女いるの?」という質問には笑いました。
前から聞きたかったんやなって笑
そしてそれに対して、「僕の恋人、それはこの国さ」と答えた安室。
これが公安警察・降谷零「ゼロ」という男なんだと改めて彼の自国愛を思い知らされましたね。

ラストシーンでは、コナンがまだ解けていなかった謎「なんで小五郎のおっちゃんを被疑者に仕立て上げたの?」を安室に投げかけました。
そしてそれに対する安室の答えが「君に本気を出させるため」でした。
今までの劇場版でも常にコナンは本気を出してきましたが、今作は安室によってコナンの本気を“引き出された”ということ。
たとえ、違法行為に手を染め悪になってでも。
安室が認める二人の人物のうちの一人がコナンだと今作中で明かされましたが、コナンの本気の力を借りるために、安室は憎まれ役になってでも自らの正義を全うしようとしていたことが分かったオチには痺れました。
真実を追求するコナンと正義を全うする安室、お互い背を向け主題歌が流れる、ラストシーンは完璧だったと思います。


2.ミステリー

IOTテロの犯人は検事の日下部でしたが、これはさっぱり見当もつきませんでした。
というのも、動機に大きく関わる羽場の登場が中盤以降で、羽場に対する想いが深かった橘が犯人なんじゃないかと思っていたので、日下部は候補にすら入っていなかったです。
それ以上に、弁護人なのに小五郎を起訴させようとする橘、風見と橘の関係性の謎、IOTテロ犯人の動機など考えることが多いうえに話自体も難しかったですからね。
日下部の動機を聞いてやっと話の整理ができたくらいだったので、特に「から紅の恋歌」と比べると難しい内容になっていたように感じました。
ただ、IOTの話は前週のアニメで紹介されていたので入りやすい部分もありました。

最も驚いたことは、やはり事件の背景にあった1年前の自殺事件の渦中にいた羽場二三一の生存でしょうか。
二三一という名前が印象的過ぎて彼だけフルネームで覚えてしまいました。
1年前、羽場二三一は日下部の協力者で、橘と羽場二三一は同じ事務所で働いていた同僚の関係にあり、今作の舞台では橘は風見の協力者の関係にある、など最後に登場人物の関係図が欲しいくらいには複雑な人間関係でしたね。

日下部のIOTテロの発想は1年前の事件の手口からきており、まさか橘の「こういった書類って犯罪の手引書みたい」という発言が伏線になっているとは思いもしませんでした。
日下部の紹介で妃弁護士と同じ法廷では負け知らずの検事と称されていたのに、そんな検事が犯罪者の手口を手本に自らも罪を犯す、しかも公安に復讐するためにだなんて世も末ですね。
羽場二三一の生存が確認され彼の言葉を聞いたにもかかわらず、解除コードを教えることに躊躇していましたし、日下部はなかなかの屑だったのではないでしょうか。
正義を全うするために犠牲を必要だと言い、多少の配慮はしたと言いつつ一般市民の生活を脅かす計画を練っていたわけですし、最終的に警視庁崩落させようとしていたし、どうしようもねぇぞこいつ。

日下部の件が終着した後、忘れたころにやって来た橘でしたが、こちらもまた後味の悪い終わり方でした。
しかしこういった後味の悪さも、公安が背負わなければならないものどと感じさせられましたし、むしろこのような終わり方で良かったのかなと思います。
とはいえ、橘というキャラのパッとしない感じは否めませんでしたね。


3.アクション

今作のアクションは爆発処理なんて次元ではなく、秒速10kmで迫り来る人工衛星のカプセルの処理でした。
警視庁めがけて墜ちてくる秒速10km、長さ4mのカプセルの軌道を反らさなければならない。
このスケールだけ見ると、今までの劇場版の比じゃないですよね。
ただ、公安の力で用意した爆薬を使って、安室がボタン一つ押すだけであっさり食い止めることができ、そこまでダイナミックな演出はありませんでした。

あまりにあっさりしすぎていたため、もう一波乱あることは容易に想像できました。
案の定カプセルの軌道が反れた先がサミット会場のカジノタワーで、案の定そこに蘭がいるという。
圧倒的知ってたって感じでしたし、今までの劇場版コナンと違ってもう一波乱あるという展開があまりに容易に想像できてしまったので、そこはもう一捻りあればなぁと感じました。

しかし、カジノタワーへ向かうときの安室のドライブテクやコナンの花火ボールの演出は超人的というか、もはや死んでもおかしくない過去最高級レベルでヤバかったですね。
時速180kmオーバーでモノレールのレール走って、そこからビルに飛び移るって何事だよほんと。
このオーバーアクションに耐えきった安室の愛車に盛大な拍手を送りたい。
でも、赤井さんならこれを顔色一つ変えずやってのけそうで、この世界の人たちほんと恐ろしいです。
今作のアクションに限っては、マジで死んでもおかしくないレベルでしたし、めちゃくちゃ鳥肌も立ちました。

また、安室が阿笠博士の手を借りたいと言ったシーンにも震えました。
原作でも安室は何度か博士に興味を示していましたが、それが劇場版でこのような形で手を借りることになるとは思いもしませんでしたね。
今となっては劇場版でお馴染みとなった博士の科学技術が今作では安室たち公安の役にも立つことになり、博士の発明も出世したものだなと。
もちろん、そのバックにはシュミレーションしていた灰原やドローンを操作していた歩美、光彦、元太たち探偵団一行がいたわけで、直接コナンと何かしたわけではありませんが、探偵団一行の活躍も見ることができて良かったです。


4.ラブコメ

今作は常にコナンと安室のやり取りに焦点が当てられていたため、ラブコメ要素はほとんどありませんでした。
前作の「から紅の恋歌」であれだけラブコメをやったので、今作のラブコメ要素のなさには頷けなくはないのかなという感じです。

とはいえ、小五郎が逮捕され落ち込む蘭を救い出そうとするコナンは描かれており、小五郎の無実が証明できそうなところで新一の声が入ったシーンは良かったですね。
小五郎のためというより小五郎が心配な蘭のために本気で動く、それを見抜いて期待していた安室にもいずれ正体がバレそうな予感がします。

新蘭だけでなく、小五郎と英理のラブコメもほんのちょっぴりですが見られましたね。
特に、スタッフロールの裏では探偵事務所の家で料理を振る舞う英理と、その不味い料理を食べる小五郎のシーンがあって微笑ましかったです。
この2人のやり取りは、過去作には「14番目の標的」「瞳の中の暗殺者」「銀翼の奇術師」「探偵達の鎮魂歌」しかないため、貴重なシーンでもありました。
劇場版ではラブコメらしいラブコメは見られないので、今週と来週にアニメで放送される「容疑者毛利小五郎」の回を観てくれってことなんでしょうね。
小五郎英理夫婦のバカップルらしいやり取りは好きなので、原作でももっとやって欲しいくらいです。


5.総評

前作の「から紅の恋歌」と比較すると、アクションとラブコメ要素よりストーリー性が重視されており、コナンと安室の2人のキャラのそれぞれの個が全面的に描かれていた、という印象です。
劇場版でしかできないスケールの事件を前に躍動する2人の姿は本当にかっこよかったですし、改めて安室が好きになりました。
今作では赤井が登場しないため、安室が暴れられると勝手に思っていたので、公安警察・降谷零として正義を全うする彼の姿はとても素晴らしかったです。

ただ、話に入りにくかったことと劇場版初登場の黒田があまりストーリーに関わってこなかったことだけはやはり気になった点でした。
「異次元の狙撃手」であった沖矢昴の「了解。」のような感動があったら、とても印象に残った作品になっただろうなと思います。
今作に黒田が登場すると知ったとき、なにかBIGな新情報が出てくるのではないかと期待していましたが、黒田が安室とつながっていること止まりに終わってしまったので、少し物足りなさがありました。
しかし、これは公安警察・降谷零としての彼とつながりを持つのか、または黒の組織・バーボンとしての彼とつながりを持つのか、考察しがいのある題材になりそうです。
黒田が安室に対してなんと呼んだのか、口の動きを注意深く見ておく必要がありましたね。
これとストーリーを整理する意味も含めて、2回目を観に行く価値は十分にあると思います。

とはいえ、原作で登場したキャラがこうして最近は劇場版の主役となって登場してくれることは、原作ファンにとってもとても嬉しいことです。
今作も安室というキャラの個が全面に描かれていましたし、個人的には満足できる内容でした。
黒田に関する描写は少なかったですが、今後原作で必ず描かれると思うのでそちらに期待したいところです。

来年の劇場版は「業火の向日葵」以来の登場となる怪盗キッドが主役となりそうですね。
4年ぶりなので空いた期間が短いうえ、公開がGWと予告で示されていたので、どういう意図なのか気になります。
ここ最近の劇場版では、キッドや組織などがよく登場して盛り上がりを見せてくれているので、来年の劇場版にも期待しつつまた一年首を長くして待ちたいと思います。


評価:A+



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主にイナストやポケモンについて書いています。
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